この『世界一』という大きな夢に、誰よりも遅咲きである私が挑戦することに大きな意味があると思っています。
競技を始めてからずっと目立った績を残したことがなかったことから、常に上位の選手と比較してしまい、自分自身の成長や成果に目を向けることができずに、長い間ずっと劣等感を感じていました。
自分に自信がなく、憧れは強いものの、自分が世界を目指して良い選手だと心から思うこともできていませんでした。
大学生時代にやっと結果が出始め、全国大会などの国内の主要レースでも優勝や入賞ができるようになり、『世界一』という夢をどうしても諦められなかったことから、まわりの同世代の選手たちが引退していく中で、卒業後も選手を続けることを決めましたが、社会人になってからもずっと、自分の夢や目標を発信することにどこか後ろめたさを感じ、常に葛藤しながら競技を続けてきました。
数年前、自分の中での大きな一歩を踏み出し、ヨーロッパでのレースに参戦し始めた頃から、やっと自分の心と向き合い、世界に挑戦したいという素直な気持ちを受け入れられるようになりました。
いまは、これまで積み重ねてきたたくさんの経験を、競技生活を送る上での大きな強みとして、チャレンジを心から楽しむことができています。
世の中には、かつての私自身がそうだったように、世間のイメージやこれまでの固定概念にとらわれて、夢への一歩を踏み出すことのできない人や挑戦を諦めてしまう人がたくさんいます。
そんな方々に、私のチャレンジを知っていただき、勇気を持って夢への一歩を踏み出せる人がひとりでも増えたら、とても嬉しいです。
日本の世の中が、誰もが年齢や立場に関係なく、夢や目標に挑めるものに変わっていくことを願っています。